クラブに夢中で勉強しない子

 高校二年生の男の子ですが、毎日激しい練習でクタクタに疲れて帰宅します。タ食がすむとほとんど勉強せずに眠ってしまいます。このままではとても希望する大学には入れません。将来ある男の子ですし、クラブ活動をやめて受験勉強に専念させようと思っていますが、大切な青春期、本人のためによくないでしょうか。
 学習と運動は両立できる。両立させたいと思ったがやはり無理だ。どちらの声もよく聞きます。これは、そのお子さんのもつさまざまな条件によるもので、一概にどちらであるということはできません。
 泥だらけの練習着をもって家に帰りつき、夕食をするのがやっと、入浴もそこそこに倒れるように寝てしまうというお子さんの場合もあれば、一休みして、深夜まで学習に取りくむというお子さんの場合もあるでしょう。このことは、単に、お子さんの気力の有無だけで起こることではありません。運動部と一ロにいっても、運動の種目や、力の入れ方によっても、その練習の激しさの程度は実にさまざまです。そして、お子さん自身の体力の有無にもよるからです。運動部の練習後、家庭学習に十分取りくめるか否かは、気力ばかりでなく、体力にそれだけの余力があるかないかにかかわっている場合が、実際には多いようです。

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 学習と運動が両立できるか否かということもさることながら、おたずねの言葉の中にある希望の大学とか、将来ある男の子とかが少々気にかかります。
 高校二年生ともなれば、お母さんでなく本人が、男女を問わず自分の将来の方向について考え始めるというより、考えがかなり固まってきてもよい時期なのです。
 自分が将来、どのような分野で活躍していきたいか。どのような仕事に取りくみたいか。それに従って、どこの大学の何科へ進むことがよいか。現在の自分の実力を考えた時、それにはどの程度の学習態勢をくんで努力をすれば可能性があるか。現在の運動部の練習を続けていて、自分の体力から考えて、帰宅後どの程度の学習時間か確保されるか。
 このような一連の検討、さらには、三年前半で運動部を引退した後、全力投球で学習に取りくんで、それに間に合うかどうか。といったことも含めて、もう本人が考えるべきことなのです。
 このようなことについて、お母さん、あるいはご両親がお子さんといっしょに話し合い、考え合うことはよいことですが、最終的な判断はお子さんに決めさせることが大切です。お母さんの口から「止めなさい」「続けなさい」の命令は避けるべきでしょう。仮に、「止めなさい」とお母さんに強くいわれて止めたとしても、本人が納得していない場合には、止めたことによって浮いた時間が、すべて明日から学習時間に振り向けられるかというと、実際にはなかなかその通りにはならないのです。
 ここで、もう一度、お子さんの現実の姿に素直に目を向けてみてはいかがでしょう。
 お子さんが、今、運動部の活動に真底情熱を傾けているとすれば、そして、三年の引退の時期までがんばって、二年生にバトンタッチしたいと考えているとすれば、それは十分に意味のあることです。
 なるほど、そのために、大学受験のための勉強、試験問題集に取りくむ時間が削られることは確かです。しかし、運動部の生活を通じて、毎日の練習の積み重ねでしか実力を培うことはできない。どのような時でも、あきらめず、最後の最後までがんばり通す。仲間とのチームワークによって個々の力が倍加する。といった、努力や協力の意味や尊さを、理屈ではなく、体を通して身につけることができるのです。このことは、決して他に置きかえられるものではありません。
 「ぼくは、高校時代だけにしかできないものを、どうしてもやりたいんだ、大学に入ることだけに使っては、とりかえしがつかないから」と、引退まで、納得のいくまで運動部の一員としてベストをつくしたなら、そのファイトとが、次の目ざす学習に取りくませるエネルギーになるにちがいありません。それは、結果として、浪人生活を送ることになるかもしれませんが、この場合は、後悔のない前向きの浪人生活を過ごすことでしょう。もし、納得のいかないまま運動部を中断し、それでもなお浪人生活を送らねばならぬということになれば、お子さんの心は、いつも中途半端なものによって支配され、後向きの日々を過ごすことにもなりかねません。

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