共働き家庭の子の学習

 小学校二年生の子どもを持つ母親です。経済上私がどうしても働かなくてはなりません。家に帰れば、食事の仕度などにおわれ、子どもと一緒に過ごす時間はほとんどありません。せめて勉強ぐらい見てやらねばならないと思っていますが、私が家にいないことは子どもにとって、どのような影響を与えるのでしようか。また、共働き家庭で、特に留意しなくてはならないことは何でしょうか。
 共働きで母親が家を留守にすることは、子どもにマイナスの影響を与えるのではないか。母親が家にいて、万事にゆきとどいている他のお子さんと比べ、わが子は遅れをとるのではないか。自分が働いているために、わが子にひどくかわいそうな思いをさせているのではないか。
 このご相談からは、このようなお母さんの思いや悩みが感じられてなりません。
 これでは、お母さんは、いつでも不安な態度でお子さんに接することになり、お子さんもそうしたお母さんの態度を見抜いて「自分は、かわいそうな子だ」という錯覚をもちかねません。
 ここでは、どうしても、「お母さんも外で働いている」という現実の状況を、お子さんの成長に積極的に生かすことを考えていかなければなりません。
 お母さんもお母さんの仕事をしているのだから、自分のことはしっかり自分でやろう。お母さんは外で働いているのだから、家事もみんなで分担しなくては、自分にできる仕事は進んでやろう。
 このような気持ちで過ごさせることが大切です。その中で、お子さんは自主性も、協力性も、連帯性も、そして、何よりも生きた力である生活の知恵を身につけていくにちがいありません。

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 それには、まず、お母さんが外で働くことの意味をプラスにとらえ、それをお子さんが納得のいくように説明することが必要でしょう。
 お父さんの収入が多ければ、お母さんは働かなくてもすむのに、などという消極的なとらえ方は、たとえそれがお母さんの本音であったとしても困ります。
 お母さんも、お父さんと協力して収入の面でも家族の生活をささえている。お母さんは、外で仕事をすることで、深く社会とつながりを持ちつつ、自分を豊かにしようとしている。
 このようなことを、具体的事例を通して、しかもお子さんの年令に合わせて、話して聞かせることが大切です。
 せめて、子どもの勉強ぐらいみてやらねばという、このお母さんの気持ちはよくわかりますが、もうお子さんは二年生、一緒に机に向き合って勉強をみてあげることはないのです。お母さんにたっぷりと時間があると、お子さんが自分から動き出し、考えようとするのを待つゆとりがなく、かえって、「今日は何を勉強するの」「この問題やってごらんなさい」「その問題はこういうふうにやるのよ」と、先手、先手と言葉かけをし、手出しをしてしまいがちです。
 ですから、外に仕事をもっているお母さんは、かかわりたくても、べったりとお子さんにかかわる時間がないのですから、かえって、お子さんの自主的勉強の習慣を育てやすいともいえましょう。ただ、急所だけはしっかりとおさえることです。
 お子さんの状態をみて、何をどうしてよいかわからない時には、計画の相談にのってあげること。つまずいてお母さんに質問にきたら「図鑑にくわしく出ているかもしれないから調べてみたら」「その問題は図をかいて考えてみたら」と、適切なアドバイスをしてあげること。
 問題集やドリルなどは、お子さんが答え合わせをしたあと、もう一度、目を通して確実に理解しているかどうか確かめておくこと。国語の教科書などは音読させ、お母さんは台所の仕事をしながらでも聞いてあげること。「お母さんは忙しいのよ」「お母さんはつかれているのよ」をくり返すことは禁物です。短い時間の中で、合理的に、お子さんの勉強にかかわることを考えていただきたいと思います。
 また、お子さんの心の安定は、お子さんの学力の向上とも深い関係があることを知っておかなければなりません。
 お子さんが学校から帰った時、お母さんの「お帰りなさい」の一言は、お子さんにとって、学校での緊張を解きほぐし、新しい活力の源ともなります。家を外にして働いているお母さんは、この一言に代わる何かを、ぜひ用意して欲しいのです。
 お子さんへの手紙でもいいでしょう。録音機にお母さんからのメッセージを吹き込んでおいてはいかがでしょうか。ちょっとした心くばり、知恵を働かせてみてください。きっとお子さんも、それに応じて、お母さんに伝えたいこと、伝えなければならないことを、手紙にしたり、録音することでしょう。そこには、お子さんからお母さんへの「お帰りなさい」の暖かい気持ちがこめられているはずです。
 ともあれ、共働きの家庭では、親子の交流ができないと決めつけるのではなく、短い時間で、中身の濃い交流を図る心がけ、努力が大切だといえましょう。

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