社会勉強

 小学校六年生の男の子ですが、一人っ子のためどこかたよりないところがあります。この夏休みにちよつとしたアルバイトをやらせて社会勉強をさせたいと思いますが、いかがなものでしようか。
 「小学生に社会勉強をさせたい」といった時に、お父さんやお母さんは、どのような勉強を想像されているのでしょうか。
 今まで経験しなかった人間間係を経験する。家庭、学校、近所といった日常的な人間関係とは異なった新しい人々との出会い。
 労働の大切さを知る。働いてものを作り出す、働いて報酬を得る、働いてよろこばれる、働くことの心地よさを体験する。
 世の中のしくみを知る。自分の日常とは異なった仕事の場、組織、機関に接して、このような人々の活動の場もあるのだということを知る。
 新しい土地を知る。自分の生活地域と異なった地域を見たり、身を置いたりして、その土地の自然、その土地ならではの人々の営みがあることを知る。
 一般的には、このような勉強をさしているようです。一口にいえば、お子さんの経験を広げる勉強です。これらの勉強を通じて、お子さんがより広い世界を知り、これまでの狭い経験をもとにしての判断や生活の姿勢を一段ずつでも高めていって欲しいのが、この時のお父さんやお母さんの願いのはずです。
 おたずねは、お子さんが一人っ子でたよりないから社会勉強をということなのですが、それにはまず、何よりも「社会勉強」のとらえ方を広く考え、お子さんに一番適したものを選ぶことが大切でしょう。

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 夏休みにちょっとしたアルバイトをと考えているようですが、具体的には、どのようなことをさしているのでしょうか。
 最近では、アルバイトするというと、本業以外に多少の収入を得るために働く、おこづかいを得るために働く、といった意味で、気やすく使っているようですが、アルバイトとは、本来、労働という意味なのです。
 ここでは、仮りに、知人の店で、簡単な仕事の手伝いをさせてもらうということで考えてみましょう。
 たとえ簡単なことにせよ、仕事をするということは、きまった時間にきまった内容をきちんと処理するということです。そこでは、気分がのるのらないで仕事を休んだり、途中で止めてしまったりすることは許されません。自分の受け持った仕事、まかされた仕事について、責任を持たねばなりません。また、みんなで気持ちよく仕事をするためには、お互いに相手を思いやることが必要です。勝手気ままは許されません。
 お子さんは、きっと、このようなことを体を通して勉強されるでしょう。そして、生活のための収入を得ることの大変さにも気づいていくにちがいありません。このようなことは、自分の家では、できそうでなかなかできないことなのです。
 ただ、ここでは次の点に十分注意してください。
 仕事は、お子さんの手のとどく内容を選んでもらう。仕事については、子どもだからと甘やかさず、責任をもってやりとげさせるように指導してもらう。報酬をもらうことが目的にならないように配慮してもらう。
 離れている祖父母のところに、夏休みを利用して、一人で、あるいは、兄弟で旅行する。自分のカで目的地に着かなければならないということになれば、切符の買い方、乗り替え、時刻表の見方、乗り物の中でのマナー。すべてわがこととして真剣に取り組みます。また、兄弟での旅ということになれば、この時ばかりは協力しなくてはなりません。お互いの思いやり、よいところの発見もありましょう。そして両親につれられていった時とひと昧ちがった土地、ちがった人々を意識し、これまでより、ひとまわり広い世界を知ることができるにちがいありません。
 地域住民を主体にした活動の中で、子どもたちにも役割を与えて、地域をよくする運動をすすめている。例えば、清潔な町にということで、ゴミのない町にしよう。ゴキブリのいない町にしよう。というスローガンで、ゴミ収集所のポスターはり、歩道の植込みやしげみの中にすてられている空カンひろい、町の消毒の仕事を手がけている地域もあります。
 お子さんは、このような活動に参加することによって、地域社会の実態を知ります。そして、一人の無責任な行為が、どんなにみんなに迷惑をかけることになるか、他人の迷惑を考えない行動がどんなに多いかを肌で感じ、社会の一員としての自分の行動のあり方を問い直していくようになります。これは、机の上ではできない、まさに生きた社会勉強といえましょう。
 地域活動の中には、老人センターや一人暮らしのお年寄りを訪門するボランティア活動もある。ここでは、センターを訪ねてお年寄りの昔話の聞き役になったり、一人暮らしのお年寄りの家にお弁当を運ぶ手伝いをしたりするのです。
 このような活動にお子さんが参加する意義は、お年寄りは休が不自由で気のどくが、一人暮らしでさびしくてかわいそうだということを感じることよりも、むしろ、このお年寄りの人たちが長い間働いてくださったことで、今のわたしたちの社会がささえられてきたのだという感謝の気持ちをもって、自分にできる手助けをしていくという姿勢を身につけることにあるのです。
 人のために働くということは、結局は自分を豊かにすることにつながっていくのだということを知って欲しいのです。

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